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自分の働き盛りは終わった、と実感するようになった。 振り返れば、それはあったのだろう。 人と比べてではなく、自分自身として、フル稼働していた時があったようだ。しかしその渦中では、それは人と比べるとあまりにもささやかなものだったため、まさか自分の目一杯が今この時だとは夢にも思わなかった。 最近そう思う。 それは、当時学生だったり駆け出しだったりした若者がアーティストや社会人として認知され素晴らしい仕事ぶりを続けていたり、その語りに納得したりする時に、感じるのだ。 そんな人たちがもう30代、40代になるのだから、なんだか清々しくもある。 自分としては、彼らと同じ20代の頃、目指し、焦り、がむしゃらに過ごしたころの自己認識からすると、想像を超えた仕事ができたと思う。もしかしたら、もっと壮大なイメージがあったとも思うけど、正直疲れたし、エネルギーに溢れていた時のイメージと、実際いろんな生活上のこととミックスしたら、十分だったと思う。もっと無理だと思ったもの。 ピークが終わったからと言っても、ピークが終わったからでないとできないことがあることも今はわかっている。 でも、ちょっと自由になっているような気持ちもある。