名より実
初夏の匂い。 公園の入口あたり、この季節になると独特のスッとする匂いが風に乗ってくる。小学生の時から、この匂いは何だろうと思っていて、公園の樹木には時々名札がかかっていたりするのに、これは情報が無い。毎年この季節になると気になりながらも、ずーーーーっと経って、いい大人になってやっと調べてみたら、ネズミモチかトウネズミモチか、どちらかわからないけど、その大きな木の、オフホワイトのキラキラと咲く花の匂いであることがわかった。 たしかに、ん?この匂い、と思って視界を移した先には、このチラチラ、ふさふさとした花が、キラキラの陽光とともにあった。 土と触れ合えない都心でも、この木は結構ある。 公園には大体あるし、駅前の植え込みにもあるし、学校の周りにも大木があった。 今日散歩をしていたら、やはりあちこちにある。大木ばかりと思っていたら、住宅のまわりのナンテンなんかとも一緒にあったりして、紛らわしい。と思ったら、それはモクセイだった。 香りも似ている。調べてみたら、ネズミモチもモクセイの仲間らしい。 納得。 ナンテンは、モクセイの仲間ではないみたい。 wikipedia には、 安価かつ都市部など日照土質の劣悪に耐える堅強さから、街路樹や生け垣の穴埋め(植えつぶし)として利用される。 とあった。 植えつぶし・・・・なんか悲しい。 否、頼もしいのだな。ものすごく。 気取らず力強く、陽光にあらわれてキラキラと笑っているのだ。 そして、すごく普通。 花言葉は「名より実」。 かっこいい・・・。